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〜洞窟探検篇の謎の文章〜


◯洞窟探検篇の岩棚で、謎の暗号文の通りにコントローラーのボタンを押すと以下の文章が高速で表示される。
点線



ここに書かれていることはゲームとは無関係で
あることを断っておく。まず自己紹介からしておこ
う。私は中村光一、チュンソフトの代表者だ。「か
まいたちの夜」「かまいたちの夜-特別篇-」で陰
謀篇という分岐があったのをご存じだろうか。我
孫子武丸がチュンソフトの陰謀によって閉じ込め
られている、という内容の分岐だ。私は面白いア
イデアだと笑ってそれをシナリオに入れることを
許した。まったくバカだったとしかいいようがない

。順序立てて説明しよう。まずは我孫子武丸の
正体だ。我孫子武丸は私の弟だ。戸籍上はまっ
たく関係がない。武丸は幼い頃に養子に出され
たからだ。私たちは双子だった。親戚に子供のい
ない夫婦がいて、養子縁組が決まったのだ。それ
を知ったのも最近のこと。武丸と一緒に仕事を
始めてからだ。弟に初めてであったときは私も驚
いた。私とうりふたつの男がやってきて、小説家
の我孫子です、と自己紹介したのだから。弟は自

分が養子に出された事実を両親から聞かされて
いた。私はその説明を受けても、父親に真偽を正
すまでは半信半疑だった。そんなことはどうでも
いい。とにかく、私は今囚われの身だ。おそらく我
孫子武丸の自宅だと思うのだが良くはわからない
。目隠しされて連れてこられたからだ。すべて弟
の仕組んだ罠だった。そう、武丸は私を誘拐し閉
じ込め、チュンソフトの社長になりすましたのだ。
今のチュンソフトの代表者は、我孫子武丸なの

だ。そのために武丸は本当に周到な用意をして
いた。本や雑誌に写真を発表するときは、別人の
売れない役者を使った。編集者と打ち合わせを
するときは必ずエージェントの人間を使った。そし
て私に近づいた。かまいたちの夜のシナリオを任
せると、武丸は本当に真剣に仕事を仕上げ、それ
はヒット作となった。そして例の陰謀篇だ。ここま
でたどりついたあなたも、おそらく未だにこれをゲ
ームの一部だと思っていることだろう。そう思わ

せるための仕掛けが、あの陰謀篇なのだ。あれ
は人形の下に死体を埋めるような、もしものため
の隠蔽工作だったのだ。今回かまいたちの夜2を
始めるにあたって、武丸は私に協力を求めた。私
に断ることができるはずもない。私はシナリオの
チェックを任された。そして洞窟探検篇のアイデ
アを提供、その代わりにプログラミングに一部参
加させてくれるように頼んだ。そう、私には陰謀篇
の中のフィクションの我孫子武丸のように、プロ

グラムの中にメッセージを仕掛けるしかなかった
のだ。奴はもしかしたらこれを知っていたかもし
れない。だが、今までの結果から、これを誰も本
気にしないだろうと思っているのだろう。頼むから
信じて欲しい。これは真実だ。私が中村光一で
あり、チュンソフトにいる男は我孫子武丸なのだ。
これを信じたのなら電話をかけて、このことを伝
えてくれ。番号は03……

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