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- + - ル ル ム - + -



 エキスパート試験に合格して街に戻ろうとすると、往来に人だかり……ならぬ、魔族だかりが出来ている。
 以前に、娘への暴力でカッとなったキリカが口論をしていたドゥラゴ族ペネンテが、またも娘との事で諍いが起きていた。原因は、娘のパウに盗みを働かせていたという事で、ルルムの魔族たちがペネンテを糾弾していた。
 こんな親にパウの事は任せておけないので、ルルムの魔族たちが親代わりになろうとしている。言い負かされて飛び去るペネンテ。だが、パウは父親を放ってはおけないと言い、魔族たちに謝ってペネンテの後を追って飛び去っていってしまった。

- + - ユ ー ベ ル - + -



 街に入ると、何やら男の子とお年寄りが会話をしている。話を聞いてみると、森で女の子が行き倒れていたという。腕に包帯を巻いていたというが、それはキリカの事ではないだろうか。
 女の子を助けたというロタンの家に入ってみると、やはりキリカだった。キリカは包帯を巻いた右腕を押さえながら、苦しそうだがそのまま家を出て行った。

 別にユーベルでなくても良いのだが、エキスパートになるとワールドニュースの最新号がギルドのカウンター横にあるイーゼルに掲載されている。
『世界に暗躍する影 国際テロリストの実情
近年の世界情勢の不安定化に伴い国際的なテロ事件が頻発している。
つい最近でもイピスティアに爆弾テロが仕掛けられていたことがワールドニュースの独自調査で判明した。
標的となったのはイピスティアのクイナ火山にある旧ディルズバルド軍山岳要塞跡地で、爆弾によりクイナ火山の噴火を誘発し、工業都市サルファスを破壊しようと計画されていた。
ギルドでは国際テロ組織「真理の剣」による犯行とみて、捜査を続けている。
また「真理の剣」は、ディルズバルドの旧帝国軍残党組織ネオ・ディルズバルドとも接触していたことがその後の調べで判明した。
現在の社会体制に不満を抱く両者の取引は、ヒーローズのタチアナ・モニカ・カーロフ女史の活躍により、ことなきを得た。
また弱冠16才の新人ハンターが、両事件の解決に大きな役割を果たしたという未確認情報もあり、事実とすれば今後の活躍に期待したいものである。
世界はますます混迷の度を深めている。
新たな英雄の出現が、これほど待ち望まれた時代もないだろう。

ディルズバルドのパブにて
(ボリス・アーウィン)』


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