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◯カーグ編第四章 〜激情〜
- + - サ ル フ ァ ス - + -
クイナ火山から生還したカーグ達は、タチアナも連れてサルファスに戻って来た。スペンサー将軍をはじめ、イピスティアの人間からすれば、ディルズバルド軍の一部隊の指揮官であった中佐タチアナは即刻処刑にすべき憎き重罪人であるのだが、カーグの頼みであれば断る事も出来ないので、処分はカーグに任せてくれる事になった。
酒場では宴が開かれており、カーグ達の命の恩人であるシャムスンも其処にいた。そろそろ帰ろうかと言い出すシャムスンだが、手下のエンリケとバスターがいないという。カーグはその二人を探しに、酒場を出た。二人共頭に青いバンダナを巻いており、それが探す時の目印になる。
まずバスターは、以前にジェチョールがいた場所で、街の女性達に声を掛けて延々としゃべっていた。そして、エンリケはメインプラントの右上の方で、ベテラン整備工から目を付けた機械のパーツを値切る交渉をしていた。
サルファス解放後 第4章パーツ屋追加分リスト |
飛空挺パーツ |
一式赤光レンズ | 200G |
グリーンライト | 260G |
青電子極小レンズ | 150G |
特星型可変増幅器 | 2600G |
街のパーツ屋に行くと、購入出来る飛空挺パーツが増えている。お金に余裕があるなら一通り買っておきたい。
シャムスン達は、自分達の仕事、つまりディルズバルド軍の襲撃をするため、サルファスを去っていった。そしてカーグ達も、皇帝ダッカムから大精霊石を取り返すため、その足取りを追う事にした。
サルファスの街から出て行こうとすると、スペンサー将軍らがタチアナを連行してきた。カテナの収容所へ収監するためだ。将軍達はカーグ達の前を通り過ぎ、街を出て行こうとするが、タチアナは立ち止まってしまって動かなくなってしまう。将軍は早く歩けと命じるが、それにも応じない。タチアナはカーグに、一緒に戦わせて欲しいと言って来た。皆反対するが、カーグはやはりこれを許してしまい、共に戦おうと言い出してしまう。よって、タチアナが仲間になる。
- + - 山 岳 要 塞 - + -
タチアナと共に、再び山岳要塞までやって来たカーグ達。内部に入り、コントロールパネルの赤く灯っているリフト制御装置をタチアナが操作し、上がって来たリフトに乗り込む。そしてリフトで下のフロアに降下すると、其処から左下に赤いランプの灯いている無線機がそのまま残されていた。
タチアナが無線傍受を行うと、雑音の多く混じる中、皇帝ダッカムの陣頭指揮の下、ラグナス大陸でとある材料を入手したという事だけ分かった。タチアナは、軍の中に大精霊石を人工的に造り出す研究機関があった事を語る。そして、そうまでして大精霊石を狙うダッカムの目的は、最終兵器を蘇らせるものだと言った。
とにかく、ディルズバルド軍がラグナス大陸にいる以上、すぐにラグナス大陸のニーデリアまで戻らなければならない。早速カーグ達は戻る事にした。
その前に、この無線機のすぐ左下に落ちている
精霊辞典・第4巻を拾っておこう。
・道の精霊について
道の精霊……。生き物が通る道の数だけいるという精霊。おのれの進むべき道を見失った者に道を思い出させるが、自分から道を教えることはない。
・花の精霊について
花の精霊……。すべての花をつかさどる精霊。花から邪気を取り除くのが仕事だが、手に負えなかった花々は、魔族化してしまったらしい。
・泉の精霊について
泉の精霊……。おっとりとした物静かな精霊。人の心を安らげる力があり、怒りをしずめることができる。まれに、美しい歌声にひかれて姿を現すという。
・井戸の精霊について
井戸の精霊……。井戸の中に住む精霊。人々にきれいな水を分け与え、うるおしてくれる。水の精霊の下位に属するが、水を汚す者に対する仕打ちは水の精霊以上に手きびしい。
そして。更に其処から左へ歩いていくと、宝箱がある。中には
680G・炎の魔よけ・シンプルブースターが入っている。シンプルブースターは飛空挺ビッグアウルに取り付けるパーツで、ビームを威力重視で強化する装置だ。
山岳要塞を出て行こうとすると、麓から慌てて探検家ザップがやって来た。ニーデリアのユーベルが、魔族の攻撃を受けて相当な被害が出ているらしいという。急いでカーグ達はユーベルまで飛空挺ビッグアウルで戻った。
- + - ユ ー ベ ル - + -
ユーベルの町並みは無惨にも損壊していた。近くにいたバンジョに話し掛けると、何故かカーグの顔を見て逃げ出してしまった。
町の様子を見に行ったマルに追い付き、話を聞く。するとまず魔族がこのユーベルにやって来て、その魔族退治を口実にして、ディルズバルド軍が侵攻して来て町中を攻撃したようだ。そして……カーグの家の前まで来ると、中から女性が出て来る。そしてカーグを見るなり、悲鳴をあげて逃げてしまう。
全く訳が分からないカーグは、取り敢えず家の中に入っていく。
ポーレットは、涙ながらに語った。ダークという名前のドゥラゴ族がナフィアを人質に立て籠り、そしてディルズバルド軍も攻めて来た。その魔族はナフィアを殺してしまい、そのナフィアの墓が城跡にあるという。ダークの事は、ナフィアを殺した悪人としてユーベルには広まっているらしい。ディルズバルド軍の情報操作なのであろうが、それ以外にも、魔族に対する恐怖心や憎悪といったものもその要因にありそうだ。
『ナフィア・ユリエル・ニーデリア ここに永遠に眠る』
仮にも、ニーデリア国の元女王であったナフィアの墓がこんなにも簡素だとは、それこそ作り話の様に思えてしまうが、そういった事情を知らないダークが造ったものなので致し方ないだろう。
カーグは自分のしてきた事が間違っていたのだろうかと混乱し、また自信を失いかけてしまう。そして、ポーレットからは更に衝撃的な話を聞かされる。そのナフィアを殺したダークという魔族は、ナフィアの子供であると、ナフィア自身がそう語っていたと町の人から聞いたという。そしてダークは、その後リリアを連れて真実の洞窟に向かった様だ。
カーグは、ダークに対して復讐心を抱く様になってしまった。
その時、マルが追い付いてきた。町の人々がカーグを探しているらしい。カーグが城跡を出てユーベルに戻ろうとすると、町から人々が押し寄せてきた。
ナフィアは魔族と交わり、人間としてのタブーを破った。そしてカーグは、ダークと同じナフィアの子供で、魔族だと。人々は怒りをカーグにぶつけ、町から出て行けと叫び出す。皮肉な事にも、その時カーグは突然苦しそうに蹲る。そして、背からダークと同じドゥラゴ族特有の翼が生えてきた。
人々は逃げ出し、あろうことかポーレットも、翼を生やしたカーグを恐れ、『来ないで!』と叫んでしまう。カーグはその場にいられなくなり、叫び声をあげながら走り去ってしまった。
カーグは、ユーベルの人々どころか、仲間をも失ってしまった。
- + - N e x t - + -