フォーレスにおいて、ギーア寺院と洗脳装置を崩壊させたアーク達は、次にグルガの故郷であるブラキアを目指した。国の北部には活発な活動を続けている活火山、バンザ山があり、絶え間なく白煙を上げ続けている。シルバーノアは、そんなバンザ山を目印として飛行を続け、やがてブラキア空港へと降り立った。一行は麓の街であるグーズへと至る。
グーズの街に入ると、そこかしこにロマリア兵の姿が見られる。横柄な態度で往来を闊歩するロマリア兵と、それらを統率している新たな領主に対し、街の人々は口々に不満を漏らす。
この国はグルガの引き起こした独立戦争により、当時支配していたニーデルから独立を果たしたはずである。
しかし、いつの間にか人々の生活はニーデルの支配下に置かれていた当時の状態に戻ってしまったかのようだ。
グルガは、すぐに故郷であるルワガの村へ向かった。
グルガ「む……! 何事だ!?」
ロマリア兵「この村に、ブラキアの国王だったジンバが逃げ込んでいるという情報が入った」
村人「私達は何も知りません」
ロマリア兵「隠すと貴様等のためにならんぞ!」
グルガ「お前達、何をしている!」
ロマリア兵「お前は…………」
村人「グルガ様!」
村人「グルガ様が帰って来たぞ!」
村人「もう大丈夫だ!」
子供「へん!お前ら!!グルガさまがいれば、おまえらなんか、ぜんぜんこわくないよーーーーーだ!!」
ロマリア兵「ほぅ…… かつての英雄の登場か……」
突然、ロマリア兵達の体躯は本来の姿であるモンスターに変化する。
村人「うわーーーーーーーー! モンスターだ! 逃げろー!!」
ロマリア兵「よかろう。かつてのようにお前の力が我々の前に通用するかどうか試してみるがいい」
パーティ平均レベル:54
襲って来るモンスターはLV55のスペクター6体。
光属性の武器やグルガで、魔法のりんご等でチャージしながら戦えばいい。
ロマリア兵を追い払い、ある1軒の家に顔を出すと、そこにはブラキア国王ジンバの姿があった。
ジンバ「!! グルガ!よく戻って来てくれた」
グルガ「一体どうしたのだ、ジンバ」
ジンバ「奴が、レイガルが、再びここに戻って来たんだ」
グルガ「レイガル!?」
シャンテ「何者なの?そのレイガルっていうのは?」
グルガ「かつて、ニーデルから送り込まれ、この国を支配していた男だ。奴は独立戦争の時にこの手で葬ったはず……。しかも、ニーデルはこの国の独立を認めたんじゃないのか!?」
ジンバ「ニーデルはな。今のレイガルはロマリアの代表だ」
グルガ「ロマリアだと!?」
ジンバ「どうやってロマリアに取り入ったか知らんが、レイガルの奴はモンスターの力まで使ってこの国を取り返そうとしている」
グルガ「それをお前は黙って見ていたのか!」
ジンバ「馬鹿をいうな!もちろんレイガルとロマリアに抗議をしたさ!しかし、その結果がこれだ!共に立ち上がった仲間はモンスターにやられ、私もこの通りだ。もう、どうすることもできない……。私ではダメなのだ!」
グルガ「わかった。この私が直接レイガルに会ってくる」
アーク「まずアンデルの計画とレイガルの関係を調べなきゃならないな」
エルク「とにかく、レイガルって奴がくさいな」
グルガらは、さっそくルワガの村の北に位置する領主の館に向かった。だが、館は無気味な程静まり返っており、見張りの姿はおろか、人のいる気配も何もない。警戒だけは弛めないようにして館に入り、最初の扉を開けると、そこにはごく当然のようにモンスターの群れがいた。
パーティ平均レベル:55
モンスターはLV56のアイアンゴーレム4体とLV56のダークメイジ4体。
アイアンゴーレムはただでさえ頑丈な体をしているが、それ以上に厄介なのが防御率の高さ。そして特殊能力のプロテクション。ダメージが蓄積されていく前に1体1体に対して集中攻撃を仕掛け、確実に倒していこう。
ダークメイジはウィークネスなどを使ってくるが、別にそれらで弱点を作られたところで対応した特殊能力を使うモンスターがいないので、全くと言っていい程意味がない。
このモンスターの群れは右上の廊下の曲り角、そしてレイガルの待ち構える部屋の前にも出現する。
レイガル「久し振りだな、グルガ」
グルガ「レイガル、やはり死んではいなかったのか………」
レイガル「ふふふ、あの時重傷を負った私はこの国を脱出する途中で、ある方に助けられたのだ」
グルガ「そして、今ではロマリアの犬になったというわけか」
レイガル「ふふふ、何とでも言うがいい。私はこの国を取り返し、お前に復讐するために戻って来たのだからな」
グルガ「この国の独立は世界に認められている、今更お前が支配する事などできぬ!」
レイガル「ふふふふ、世界が認めた? だからどうした!世界など全てロマリアに支配されることになるのだ。独立など何の意味もない」
グルガ「ふざけるな!」
レイガル「まあまあ、そう怒るな。実はお前に会わせたい人間がいるのだ。こちらに来てもらおう」
レイガルに続き、隣の食堂に行くと、そこにはグルガにとって最も大切な存在であるエレナがいた。
グルガ「エ、エレナ!」
エレナ「その声はお父さん!」
レイガル「そうそう、貴様に礼を言わなければならないな。私の娘の目を治してくれた礼をな」
エレナ「お・とう・さん? ち、ちがう……。私が覚えているお父さんと!」
グルガ「エ、エレナ………」
レイガル「エレナ、言ったろう。あいつはお前の父親なんかじゃないんだ。奴は、父親に成り済まし、ずっとお前をだましていたんだ」
エレナ「そんな……」
レイガル「本当だとも。目が見える頃のお前の記憶と比べればすぐわかるだろ」
グルガ「エレナ、だまされるな! そいつは……」
レイガル「見苦しいぞグルガ。 エレナ、さあおいで。これからは私がいつも一緒にいるよ。 グルガよ、この国は私が再び支配する。前のような邪魔はさせんぞ! もっとも、そんな気力もないだろうがな」
グルガ「エレナ……」
ルワガの村に戻って来たグルガ。ひどく落胆し、戦意を失って自宅の部屋にこもってしまった。
グルガ「すまん、独りにしてくれ」
シャンテ「グルガ……」
グルガ「エレナ……エレナ…………」
グルガは、悲しみを紛らわすための酒をあおっていた。
これまでの経緯を知っているシャンテは、尚更かけてあげられる言葉が見当たらず、静かにグルガの部屋を出る。
シャンテは、みんなが待つ宿屋に戻った。
エルク「グルガの様子はどうだ?」
シャンテは首を左右に振る。
エルク「そうか……」
アーク「ロマリアめ、この国で一体何をやろうというんだ!」
シャンテ「やっぱり殉教者計画と関係があるのかしら」
ジンバ「大変だ!レイガルめ……バンザ山を噴火させ、邪魔な我々を村ごと潰す気だ」
エルク「何!?」
ジンバ「奴等、バンザ山の頂上で何かを建設している。それが完成すればこの村はおしまいだ」
エルク「アーク! きっとそれが……」
アーク「ああ、洗脳装置だな」
シャンテ「グルガを何とかしなきゃ!」
シャンテ達は、村の端近くにあるグルガの自宅へ向かった。
シャンテ「私に任せてもらえない?」
アーク「わかった」
グルガ「エレナ……エレナ………」
シャンテ「何をしているのグルガ!」
グルガ「!」
シャンテ「あなたこのままでいいの!? エレナを助けに行かないの!?」
グルガ「しかし、レイガルはエレナの実の父親だと……」
その時、シャンテはとっさにグルガの頬を打った。
シャンテ「しっかりしなさい! あなたもエレナの父親なのよ、何があろうともエレナの誤解だけは解かなきゃ! それに、あなたが命をかけて守ろうとしたこの国が、ダメになってしまうのよ」
グルガ「………。行こうシャンテ、レイガルを止めに。そして、エレナに会いに……。全ての事をエレナに話そう」
ジンバ「グルガ!」
グルガ「話は聞いた。レイガルもバンザ山にいるんだな」
ジンバ「ああ!」
グルガ「よし、行こう! この国を奴等の思い通りにはさせない!」
ジンバ「おお!勇者グルガの復活だ!!」
パーティ平均レベル:56
バンザ山は、ところどころにある溶岩だまりをトロッコでやり過ごしながら進んでいくマップ。まずは道なりに進み、最初のトロッコに乗る。するとそこにはレベル58のミノタウロス7体が待ち構えている。ミノタウロスは攻撃力が高めで、しかもパワーロスを多用してくるので、短剣・槍・カード・銃といった間接攻撃を中心として戦えばいい。モンスターを全て倒したら、その先のトロッコに乗る。そして、ここですぐ目の前の次のトロッコに乗ってしまうと、またミノタウロス7体と戦う事になる。ここでレベルアップがどんどん出来るので、戦っておきたいなら敢えて乗ればいい。
なるべくこの辺りでのムダな戦いは避けたいというなら、トロッコに乗らずに線路の先のスイッチでポイントを切り替えてからトロッコに乗ろう。
2階に至り、上に進んでトロッコに乗る。と、ここにはレベル59のミノタウロスが8体いる。全て倒し、左下のトロッコに乗って、目の前にある壁のスイッチを押す。これでこのフロアの入り口すぐ横、そしてたった今ミノタウロスと戦った場所の右下に溶岩が引き、新たな通路が出来る。まずはトロッコに乗ってミノタウロスと戦った場所に戻り、真直ぐ右に行ってそこのトロッコに乗ろう。するとまた目の前の壁にスイッチがあるので押して戻る。これで、フロア入り口横の溶岩が更に引く。
ここで、一気にこのフロアの入り口近くまでトロッコで戻ろう。
フロア入り口横の通路に、下に細く続く通路がある。この先にはフェザースタッフの入った宝箱があるので忘れずに回収しておく。そうしたらずっと右に行き、トロッコに乗って次のフロアへ。
さて。3階には、フロア入り口にトロッコがある。しかしこれにそのまますぐ乗ると、レベル59のマッドストーカー6体が待っている小部屋に着くだけ。マッドストーカーはスリープウィンドを事あるごとに使ってくるので、レイラの鏡やミントなどが必要かもしれない。基本的に、このバンザ山はレベルアップには最適の場所なので、出来るなら全てのモンスターを倒しながら進んで行きたい。
が、もしさっさと先へ進むというのであれば、最初に線路の上を歩き、スイッチでポイントを切り替えてからトロッコに乗り、宝箱をまずは開けておく。中にはバトルスティックが入っている。
トロッコで戻り、切り替えたポイントをもう一度切り替え、まっすぐ先に進めるように戻しておく。そしてもう1箇所。乗る前にあらかじめ、トロッコのポイントを切り替えておくために線路を歩いていると開けた場所に出る。ここで必ず、前後からトロッコに乗ってやって来るマッドストーカー計6体に挟み撃ちを食らってしまうので、体力の回復はこまめに行う。マッドストーカーを全て倒し、少し先のポイントを切り替えてから入り口まで戻り、トロッコに乗る。
これでこのフロアは終わりで、出口手前に『精霊の心』がある。
4階は、入り口のところで線路が2本見られるが、右側は出口からここまで引き返す時のものなので今は関係ない。左側は、まずは線路に沿って歩いて行き、ポイントを先に切り替えてからトロッコに乗る。トロッコが止まったら壁のスイッチを押し、戻ってからポイントを元に戻し、再び乗る。すると後ろから来るマッドストーカーに溶岩で閉じ込められ、前方からレベル61のマッドストーカー7体が襲ってくる。
ここは狭く、マッドストーカーも一箇所に固まるので、エルクのマイトマインドやマジックローブで魔力をUPさせて、特殊能力を総動員してさっさとまとめて片付けよう。マッドストーカーとダラダラと戦う時間を伸ばしていては体力の消耗が激しい。
終わったらマッドストーカーが前方から乗って来たトロッコに乗る。これでこのフロアは終わったも同然だが、トロッコで着いた通路は上と右に分かれている。上に行けば短いトロッコに乗って次のフロアへ行けるが、ここで右をわざわざ選ぶとマッドストーカー8体と戦うことに。もしHP・MPがかなり減っていれば、出口の右にあるトロッコで入り口まで戻り、下の階の『精霊の心』で回復しておこう。
5階は短く小さなフロアだが、ちょっとくせもの。
通路を進むとトロッコにウェアタイガーが乗ろうとしており、乗せてあげるか、自分が乗るか、という選択肢が表示される。『乗せてあげる』を選ぶと、この先でウェアタイガーの群れが恩を仇で返すという形で襲ってくるだけ。『自分が乗る』を選ぶと、線路上を逃げて行くウェアタイガーをトロッコで跳ね飛ばしてしまい、トロッコは吹き飛んでいってしまう。
怒ったウェアタイガーは仲間を呼び、襲って来る。どちにしても、このフロアのどこかでこのウェアタイガーとは戦わなくてはならないので、選択肢はどちらを選んでも構わない、というより、どちらの選択肢を選んでも特にメリットもデメリットもない。
ウェアタイガーはストライクパワーを使うので、背後から襲われないように注意。レベルは62でHPは152。こちらの攻撃力が60以上で、しかもチャージ状態となっていれば一撃でほぼ倒せる相手。このウェアタイガー相手に、できればマッドストーカーほどの苦戦はしたくないところ。
6階は、このバンザ山最後のフロアだけあって、まさにトロッコ地獄。
最初のトロッコに乗ると、別の路線でウェアタイガーの集団の乗ったトロッコが疾走していくのがチラリと見える。さらに別の路線からやってきたトロッコの集団が背後から到着し、それにそれぞれ乗っていたウェアタイガーとバトルとなる。この6個並んだトロッコを盾に使い、直接攻撃のウェアタイガー相手に、間接攻撃・特殊能力で無傷で切り抜けることも出来る。このトロッコの内、一番上は先程乗って来たものなので入り口に戻るだけ。それから下5つの内の一番下の線路がウェアタイガーの待つ先に続いている。これはウェアタイガーとのバトルになるだけなので、無視して上のトロッコに乗ってしまってもいい。
そしてこの上のトロッコに乗ると、先程画面上部でトロッコに乗っていたウェアタイガーが待っているので即バトルに。
さて、ここでも5つトロッコがあり、その内の一つが先のライトニングエルボーの入った宝箱の小部屋へと続いている。
一番下は下からやって来た時のものなので、ただ来た道を戻るだけ。正解は上から5つのトロッコの内の下から2番目。宝箱を開けたらトロッコで戻り、右のトロッコに乗ってこの最後のフロアは終わる。途中に『精霊の心』があり、バンザ山頂上に到達する。
グルガ「やっと頂上に着いたぞ! む!?」
レイガル「フフフ、ようやくここまでたどり着いたか。待ちくたびれたぞ、グルガ」
グルガ「この火山から手を引け」
レイガル「あの機械が何だか判るか?」
グルガ「!?」
シャンテ「洗脳マシーン!」
レイガル「その通り! いずれ世界中にこの機械が設置される。これでこの国はおろか、全世界をロマリアの支配下に置くのだ!!」
グルガ「ばかな! レイガル、こんな事はもうやめろ! たのむ、エレナをこれ以上悲しませないでくれ!」
レイガル「俺がエレナをどうしようがお前には関係のないことだ!」
グルガ「貴様!」
レイガル「どうした、エレナの前でこの私を殺せるのか?」
グルガ「うぐっ……」
レイガル「さらばだグルガ。溶岩に落ちて死ぬがいい」
レイガルの不意の攻撃を受け、グルガは火口手前に落ちていってしまう。
グルガ「くっ………」
シャンテ「エレナ!グルガを助けて!」
エレナ「…でも……お父さんじゃ……」
シャンテ「あなたの目を治す為に頑張ったグルガの事を、忘れてしまったの!?」
エレナ「………………」
エレナはしばらく考え、グルガを助ける為に火口付近へと駆け下りていった。
グルガ「エ、エレナ?」
レイガル「余計な事をしおって! そんなにグルガがいいのなら、一緒に地獄へ送ってやるわ! ふははは!!エレナ、手を離せば楽になれるぞ! それとも、グルガと地獄へ行くか!? ほらほら!」
グルガ「エレナ、もういい。離せ!」
エレナ「あたしは絶対、この手を離さないから……」
レイガル「ム……!!このガキが! 死ね!」
エレナ「ご、ごめんなさい! ……もうだめ……」
レイガルに、火口へと蹴落とされるエレナとグルガ。
レイガル「ふん、ブラキアの勇者もあっけないものだな」
シャンテ「実の父親が娘を殺すなんて!?」
レイガル「この世は力が全てなのだよ。私はヤグン将軍から最強の力をいただいたのだ。私は支配者だ!親も子も今の私には関係ない!!お前達も、あの男の後を追うがいい!! さあ、死ぬ覚悟はできたか?」
グルガ「なるほど、モンスターには親も子もないな」
レイガル「何!!」
グルガ「堕ちるところまで堕ちたな、レイガル。貴様は、あの卑劣だったレイガルでさえもない。ただ己の欲で固まった化け物だ。エレナを利用した罪、死をもって償え!」
レイガル「ちっ、死に損ないが!」
グルガ「エレナさがっていろ!」
レイガル「今度こそとどめを刺してやるわ」
パーティ平均レベル:60
モンスターはレベル64のガスクラウド5体と、レベル70のレイガル(死の魔人)。
ガスクラウドはペトロウィンドを使うので、手早く片付けてしまいたい。
レイガルはデスを使う。しかし、復活の薬をレイガルから盗めるので、もしデスを受けたらこれで蘇生させよう。
…………バンザ山入り口……………
グルガ「エレナ、よくお聞き。私はお前の、本当の父親ではない。そしてお前の両親を奪った戦いを起こしたのは私なのだ。そして、罪滅ぼしの為にお前を引き取って育てた。だが、いつしか私はお前を自分の子供のように………」
エレナ「……………」
グルガ「今まで嘘をついていてすまなかった………。だが、お前を思う気持ちに嘘はない。それだけは分かって欲しい」
シャンテ「エレナ、本当のお父さんはもういないの。だけどあなたの事を心から思っている人がいる事を忘れてはだめよ」
エレナ「お父さんならいるもん!」
グルガ「エレナ!?」
こうして、ブラキアにおけるロマリアの活動もグルガらによって阻止された。