………ガルアーノ邸………。
ガルアーノ「ヴィルマーを取り逃がしたのか!?」
黒服の男「は、はい…エ、エルクとリーザの邪魔が入りまして…」
ガルアーノ「このっ、役立たずがぁー!! たかが子供二人に邪魔されて、尻尾を巻いて逃げてきたのかぁ!!」
黒服の男「ヒッ…! も、申し訳ありません!!」
ガルアーノ「もういい、失せろ!!」
黒服の男は、一礼をしてガルアーノの部屋を出て行った。
ガルアーノ「エルクか…そろそろ始末をつけねばな…。 私だ、あれを…ジーンを使ってエルクを仕留めろ。もう失敗は許さんぞ、いいな!! ふっふっふっ…奴のことだ、必ず私の元にやって来る。その時が奴の最期よ! はぁーっはっはっはっ!!」
ヒエンで東アルディアに戻って来た二人は、インディゴスのシュウのアパートへ行ってみる。
リーザ「懐かしいわね」
エルク「………」
リーザ「大丈夫よ、シュウの事だからきっとどこかで生きてるわよ」
エルク「シュウの事もそうだが、シャンテの事も気になる」
リーザ「そうね、無事だといいけど………。まずは、ゆっくり休みましょう。色々あって疲れちゃった」
エルク「そうだな」
そしてその夜、突然何者かが忍び込んでくる。
エルク「誰だ」
それはシャンテだった。
エルク「シャンテ!」
シャンテ「エルク、脅かさないでよ」
エルク「それは、こっちのセリフだぜ」
リーザ「シャンテさん、大丈夫なんですか?」
エルク「そうだよ、人質にされたんじゃ…」
シャンテ「人質? 冗談じゃないわ。ヘマして捕まるところだったけどね。あの後、身を隠していたの。でも、危なかったわ。相手がマフィアだからね。あんた達を狙ってたのはマフィアなのよ」
エルク「知ってるさ。ところで、何で戻って来たんだ?」
シャンテ「えっ?だから、つまり…。あんた達と連絡を取らなきゃと思って。そ、そんな事より。何であんた達を狙ってるのがマフィアだって判ったのよ」
エルク「ある、人から聞いたんだ。ガルアーノって、マフィアの親玉の話をな」
シャンテ「そう………。私、これから仕事なのよ。明日の朝、酒場に来て。積もる話はその時に、ね」
エルク「分かった」
シャンテは部屋から出て行った。エルク「………?」
朝になると、すぐにベッドを調べること。すると、合成用のアイテムでもある短剣ククリが手に入る。シャンテの深夜訪問直後に、このシュウの部屋から出てしまうと、もう入手不可能となる。
リーザ「エルク!エルク!」
エルク「ん…」
リーザ「起きて、シャンテさんが酒場で待ってるわよ。エルク! 早く行きましょう」
エルク「ああ、分かったよ」
もしヴィルマー研究所の作業室でニンジャとコボルトを仲間にしていたら、装備の確認もしておこう。ニンジャ(ニンジャに限らずモンスター全種)は防具を装備できないため、ダメージを少しでも少なくするように短剣のグランドナイフ(攻撃は最大の防御☆)を、そしてコボルトには力任せに攻撃させるために地の剣を、残ったリーザにはバスターウィップかディフェンダーを装備させればいい。
封印の遺跡でガーゴイルも仲間にしたのなら、スピアかスティンガーを装備させてあげよう。
そして、ヤゴス島から戻って来た時点でインディゴス・プロディアスに新たなギルド仕事が発生している。この後は重要なイベントがずっと続くので、できればここで全て済ませておきたい。……もちろん、手配モンスターも忘れずに。
インディゴスのハンターズギルドに入ると、リゼッティ警部が受付けで激怒していた。
リゼッティ警部「ふざけるな!!大人しく、ジーンの情報を教えろと言ってるんだ!」
ギルド受付「ジーンに関してはこっちも調べてるところだ」
リゼッティ警部「嘘じゃないだろうな。 インディゴス市警をなめるなよ」
エルク「相変わらずだなぁ。怒り過ぎは体に良くないぜ」
リゼッティ警部「! エルクか。どうせお前も切り裂き魔を狙ってるんだろう」
エルク「切り裂き魔?何だいそりゃ」
リゼッティ警部「知らんとは言わせんぞ!次々と罪のない人々を切り刻んで殺している殺人鬼『切り裂きジーン』の事を」
エルク「切り裂きジーン………」
リーザ「怖い話ね」
リゼッティ警部「しらばっくれやがって。貴様らなんぞにジーンの首は渡さん。ジーンを捕まえるのは、インディゴス市警のリゼッティ警部だからな!」
エルク「ご自由に」
リゼッティ警部「ふん!」
リゼッティ警部はハンターズギルドを出て行った。
エルク「煩いおっさんだな」
インディゴスの酒場に行くと、シャンテが店の奥で腰掛けて酒を飲んでいる。
シャンテ「改めて、久し振りね… 元気そうで何よりだわ」
リーザ「シャンテさんも」
エルク「まだ隠れていた方が良かったんじゃないのか?」
シャンテ「そうもいかない訳があるの」
エルク「訳?」
シャンテ「弟がいるの…私にとってたった一人の、血の繋がった人間…。こんな私にも、命よりも大切なものがあるのよ」
エルク「その弟が、どうかしたのか?」
シャンテ「それが、ちょっと面倒な事に巻き込まれちゃってね…」
エルク「面倒って?」
シャンテ「私のために、やばい仕事に手を出して。私が何とかしなきゃ、あの子は…。 フフッ、私らしくないわね。今更身の上話もないでしょうに…。それより、昨日の夜の続きを聞かせてよ。何で、マフィアのボスの名前をあんた達が知ってるの?」
エルク「あんたが、大変な目に遭ってる間こっちはこっちで色々とあってね。リーザを狙ってる奴等に、俺も大きな貸しがある事が判った。もう他人事じゃないんだ。シャンテ、ガルアーノに会う方法を教えてくれ」
シャンテ「ガルアーノに会うって…」
エルク「情報屋の、正確な情報が頼りなんだ」
シャンテ「あのね、奴は…」
エルク「頼む!! 俺達は、もう逃げ回ってる訳にはいかないんだ」
シャンテ「…ふう、止めても無駄の様ね。分かったわ、何とかしてあげる。ちょっと時間が掛かると思うから…明日、また酒場に来て頂戴」
エルクとリーザは、一旦シュウのアパートに戻る。
夜を迎えると、怪しい人陰が複数、闇に溶け込むようにしてやってきた。
シャンテ「2人は中にいるわ」
男「俺達に指図するな! しかし、お前も弟の為とは言えよくもまあ…」
シャンテ「そんな事あんたに関係ないでしょ!」
男「けっ、まあいい。お前ら、とっとと片付けるぞ」
エルク「………………!? リーザ!起きろ!」
エルクは妙な気配を感じ取り、跳ね起きる。
そしてベッドで寝ているリーザに呼び掛けた。
男「ふん、気付かれてたか。来い!ジーン!!」
突然、窓ガラスを突き破って男が乱入して来た。男は右腕から、血飛沫をあげながら剣の刀身を突き出す。男は右腕を素早く振るい、流れ落ちる血を吹き飛ばした。どうやら、体内に剣が埋め込まれている様だ。右腕から刀身を生やした異様な男は、切っ先を床で引きずりながらこちらに歩み寄る。ジーン「くっくっく、切り裂いてやるよ」
男「………殺れ!」
エルク「リーザ、何だかやばそうな奴だ。油断するなよ!」
パーティ平均レベル:レベル20
シュウのアパートに現れたのは、リゼッティ警部も追っていた『切り裂き魔ジーン』だった。
モンスターは全部で5体。LV17のメイジ2体、LV16のオーク2体、そしてLV18のジーン1体。
ジーンは特殊能力としてサンダーストーム・ウィンドスラッシャーを使ってくるが、彼の魔力は低いのでダメージが少なめで済む。逆に直接攻撃には要注意で、背後からだと30前後もくらってしまう。チャージしたエルクが攻撃すれば、それほど手こずらないはずだ。メイジもサンダーストームを使うので鬱陶しい。バトルをさっさと終わらせたいならジーンだけを倒してしまえばいい。
ジーン「くそっ、やりゃあがったな。うぐぐっ!憶えてやがれ!!」
切り裂きジーンは窓際まで空間を転移し、窓枠を飛び越えていった。
エルク「あれがジーンか……。奴もキメラ研究所で造られたモンスターなのか?」
リーザ「………こんな街の中まで」
………ガルアーノ邸………。
ガルアーノ「何ぃ、失敗したぁ!? …ジーンが…不完全だと!? 分かった…もういい!いいか、エルクだ! はぁ、じゃない!! エルクを、私の所まで連れてこいと言ってるんだ!! 分かったか、この役立たずがぁ!!」
ガルアーノは叩き付けるように、荒々しく電話を切った。
ガルアーノ「…まさか、これ程成長が早いとは…少々甘く見過ぎたか…。まあいい、私自ら始末を付けてやろう。私を怒らせた事を、後悔させてやるわ…」
朝になり、エルク達はシャンテの待つ酒場へ出かける事にした。
リーザ「エルク!エルク!」
エルク「酷い夜だったな」
リーザ「シャンテさんが酒場で待ってるわよ」
エルク「ああ…」
エルクとリーザは、再び酒場を訪れた。
リーザ「こんにちは、シャンテさん」
シャンテ「昨日、ここら辺に例の切り裂きジーンが現れたそうね」
エルク「!? どうして、その事を知ってるんだ?」
シャンテ「!!………い、いいじゃない…そんな事…。それより、ガルアーノの件だけど…」
エルク「奴のアジトに行けるのか?」
シャンテ「場所は判ったわ…でも…」
エルク「でも?」
シャンテ「決して歓迎されないわよ」
エルク「構わねぇさ! で、どうすればいいんだ?」
シャンテ「町の外れに、奴等のアジトがあるの。私がそこまで案内するから、準備を整えて頂戴」
エルク「分かった」
シャンテ「私は此処で待ってるから。 準備は出来たの?」
『はい』
シャンテ「じゃあ、行きましょう。奴等のアジトは、町の外れよ」
早速準備を整えて酒場を出る。と、酒場の前にはリゼッティ警部の姿が。
警部「マフィア相手に喧嘩を振っかけるそうじゃないか」
エルク「あんたの知ったこっちゃないだろう」
警部「お前が何でマフィアを狙ってるのか知らんが、この街…いやこの国の裏では奴等の力は強力だ。俺達警官でさえ下手に手を出せん。周り中が敵になるんだぞ」
エルク「関係ないさ。一つ教えてやる。切り裂きジーンはマフィアとグルだぜ。そんな呑気な事言ってていいのかよ」
警部「何!?それは確かか? お前に頭を下げるのは俺のプライドが許さん…。が、市民を危険に晒す訳にはいかん。いいか、必ずケリをつけろ。そうすれば少しは見直してやる」
シャンテ「名残惜しいのは解るけど、そろそろいいかしら?」
エルク「ああ」
シャンテ「じゃあ行くわよ。ついてきて」
エルク達は、早速そのアジトへと向かう。
アジトとは、インディゴスからプロディアスへ向かう途中に分かれ道があり、その先にある屋敷がそうだ。アルディア橋を渡り、ヒエン置き場からやや左に進むと見える、塀に囲まれた大きな屋敷。当然の事ながら、屋敷の前には見張りがいる。
リーザ「見張りが居るわよ、どうするの?」
シャンテ「私に任せて」
シャンテは堂々と見張りに近付いていく。そして、何やら言葉を交わしている様だ。すると、見張りは何事もなかったかのように引っ込んでいき、そのまま屋敷の中へと入って行ってしまった。
エルク「見張りは何処に?」
シャンテ「ちょっとね………。時間がないわ、急ぎましょ」
シャンテに先導され、屋敷の奥へと進んでいく。
シャンテ「ガルアーノの部屋はこの先よ。この扉の奥に、ガルアーノの部屋があるの」
声「そうあっさりと、ガルアーノ様に会わせる訳にはいかんな」
シャンテ「誰!?」
とそこへ、モンスターがエルクとリーザを取り囲んだ。
パーティ平均レベル:レベル21
モンスターはLV19のマッドストーカー1体、LV17の強盗2体、LV18のネクロマンサー2体。
まずはエルクとリーザでマッドストーカーを倒してしまおう。マッドストーカーは攻撃力が見た目通り高いので、残しておくと後々のバトルに影響しかねない。マッドストーカーは斜め後ろから棒で攻撃をする事が多く、またファイヤーブレスも使う。後は強盗を倒し、ネクロマンサーを始末すれば完了。この程度のバトルでMPを使わないように。
シャンテ「エルク、御免なさい。こんな筈じゃ無かったんだけど………」
エルク「気にするな、危険なのは解っていたさ。さあ、行こうぜ」
シャンテ「ダメ、鍵が掛かってるわ」
リーザ「どうしよう?」
シャンテ「部屋の鍵は、このアジトの何処かにある筈。多分、この廊下の左端にある部屋に置いてある筈よ」
まずは廊下を左に進み、下の部屋に入る。そこには布の服+2が入っている宝箱がある。同じように、右側の部屋にはロングソードが。それ以外の上の4つの部屋はバトルになる。ちなみに、シャンテの言う通りに捜していけば、3番目の部屋になる右端の部屋に鍵はある。なお、体力を消耗したら屋敷から出ても構わない。ここでレベルアップを図り、疲れたらインディゴス・プロディアスで休憩をして、重い存分闘うように(笑)
ここで、シャンテの言う部屋以外には絶対に入ってはならない。インディゴス下水道のシャムスもそうだが、貴重なアイテムなどを所持している手配モンスターから『盗んで』入手する場合、一番最初に出会ったそのバトルのみでしか入手不可能。もしもプロディアスで手配モンスター『ティアヌス』の手配書を確認していると、ここでシュウがいない状態でも構わずに出現する。ティアヌスは『うににゃんそーど』という貴重な剣を所持していて、装備すると防御力が20も上昇する。シャンテの教えてくれる通りの部屋でバトルをこなす場合は出現しない。
逆に、手配書を見ていないのなら、この廊下に並ぶ4つの小部屋はフリーバトルエリアなので好きなだけ何度でも戦える。レッサーデーモンはクラスチェンジをすれば最上級クラスのモンスターに成長可能なので、序盤〜終盤まで活躍出来る。よって、ここで仲間にしておくといい。レッサーデーモンには、ウィルの岩場でショートポールを入手していれば装備させてあげよう。
エルク「この部屋には、鍵はないな」
リーザ「そうみたいね」
エルク「取り敢えず、シャンテの所に戻るか」
声「待て!貴様ら!! 生きてこの部屋からは出さんぞ!!」
エルク「!!」
突然扉は閉ざされ、モンスターが襲って来た。
シャンテ「鍵は見付かった? 左端の部屋だと思うんだけど? あそこには無かったの?おかしいわね。じゃあきっと、左端の横の部屋ね」
リーザ「見付からないわね」
エルク「ああ」
リーザ「他の部屋を探しましょうか」
エルク「そうだな」
声「その前に、お前らに死んで貰うぞ!!」
リーザ「この部屋も罠なの!?」
再び扉は閉ざされ、モンスターが襲って来た。
シャンテ「鍵は見付かった? 左端の部屋だと思うんだけど? あそこには無かったの?おかしいわね。じゃあきっと、左端の横の部屋ね。そこにも無かった?おかしいわね。じゃあ絶対、右端の部屋ね」
リーザ「エルク! 見て、きっとこれが、あの扉の鍵よ!」
エルク「よーし、シャンテの所まで戻るぞ!」
声「ふっふっふっ、残念だが、それは置いていって貰おうか」
エルク「!? 出て来い、ザコども!!」
鍵を手に入れて戻ると、なぜかシャンテの姿が見当たらない。
エルク「あれっ…? …シャンテが見当たらないぞ?」
エルクは『鍵』を使って扉を開けた!
ガルアーノの部屋に入ると、そこには黒服の男達とジーンの姿があった。ジーンは親しげな口調でエルクに話し掛けるが、エルクはそれが気に入らないようだ。
ジーン「やっと来たかエルク、随分待ち侘びたぜ。ようやく、俺の前に姿を現わしやがったな」
エルク「誰だか知らないが、貴様に会う為にここまで来た訳じゃねぇさ。ついでに言わせて貰えば、見知らぬ奴に馴れ馴れしくされるのも好きじゃない」
ジーン「つれねえセリフだな、おい。俺を忘れちまったのか?」
エルク「忘れた?」
ジーン「『切り裂き魔』なんて言われてるが、名前は昔のままなんだがな」
エルク「名前?……ジーン…………!!!」
このジーンの言葉で、エルクの脳裏に過去の思い出が蘇る。
エルク「ジーン!! おまえ、ミリルに、また何か言っただろう!?」
ジーン「へっへっへっ」
エルク「なにニヤニヤしてるんだよ!」
ジーン「俺なりのやさしさだったのにな…」
エルク「そういうのを、よけいなおせわって言うんだよ!」
ジーン「ちぇっ」
エルク「お前…あのジーン、なのか?」
ジーン「………まあな。やっと、俺を思い出してくれたか………全く、つれない奴だぜ。こっちは、1人で逃げ出しちまったお前との再会を、どれ程楽しみにしていたか。と言っても、お前とはまたすぐにお別れになるんだがな。逃げ出したお前が、手に入れられなかったこの力、思い知るがいい!!」
エルク「待て!ジーン!!お前とは戦いたくない」
ジーン「戦いたくない?………くっくっくっ、俺は構わないぜ。昔の誼だ、楽に殺してやるさ」
そう言って、ジーンが襲い掛かってきた。
パーティ平均レベル:レベル22
敵はLV21のジーン1体とLV20のホブゴブリン4体。どれも攻撃力が高めな白兵戦タイプ。
1体に対して複数で挑み、確実に仕留めていこう。……ジーンだけを攻撃してさっさとバトルを終わらせてしまってもいい。その場合はパンディットのストライクパワーとリーザのパワーロスを駆使しよう。ホブゴブリンはディストラクション(魔力低下)を使ってくるが、リーザが喰らわなければ全く問題はない。また、例え喰らったところで、特に困る事もない。
ジーンを倒すと、そのショックで元の意識が回復する。
ジーン「ぐっ!ば、ばかな!!こ、こんな筈は………俺が……負ける………。ぐわっ!!………あ、頭が………頭が痛い!! あ・た・ま………ぐがっ!!」
エルク「ジーン………ジーン!! しっかりしろ、ジーン!!」
ジーン「エル……ク………みん…な……あそこで…待ってたん……だぜ。 お前が……いなく…なって……から………みんな……次々に……改造されて………。ミリルは………ミリルだけは……俺みたいな……目に……遭わせるんじゃ……ない……ぞ……………。ぐはっ!!」
エルク「ジーン!?」
ジーン「エルク……俺のことを…」
エルク「ジーン!! ジーン!!!」
そこまで言うと、ジーンは息を引き取った。
とそこへ、ガルアーノが部下を引き連れて隠し部屋から姿を現す。
ガルアーノ「ジーンがやられるとは……! お前を白い家から逃がしてしまったのが、つくづく残念だ」
エルク「お前がガルアーノか!」
ガルアーノ「私の事を知っているとは光栄だね。その様子では、シャンテを使って、ここまで連れて来させる必要はなかったかな」
エルク「なに!?」
ガルアーノ「ご苦労だったなシャンテ」
リーザ「シャンテさん!? 何故!!」
エルク「俺達を裏切ったのか!?」
ガルアーノ「ふっふっふっ。シャンテは、誰も裏切ってなどおらんよ。何故なら彼女は、私がお前達に近付けたのだからな」
シャンテ「御免なさい。エルク、リーザ。でも私、仕方が、仕方がなかったの」
エルク「お前らが…。人の心を玩具にして!」
リーザ「エルク、止めて!」
シャンテ「エルク、私は…」
リーザ「エルク!」
エルク「畜生!!」
その時、固く閉ざされていた筈の部屋の扉が爆発し、出来上がった穴から見知った顔が飛び出して来た。
シュウ「止めるんだ。エルク!」
エルク「シュウ!?」
シュウ「シャンテはこいつらに利用されているだけだ」
リーザ「シュウ、生きていたのね!」
シュウ「ああ、行方不明なのを利用して身を隠して、マフィアに関する情報を探っていたんだ。エルク、シャンテは弟を人質に取られ、仕方なく奴等に従っているんだ」
エルク「!?」
シュウ「調べて行く内に、マフィア、リーザ、シャンテの弟が『白い家』で一つになった」
シャンテ「それで、私の弟は? 弟は今、何処で何をしているの!?」
シュウ「それが…」
ガルアーノ「わはははは! 残念だがシャンテ、お前の弟はもう何処にも居ないのだよ」
シャンテ「!? どういう事?」
ガルアーノ「君の弟は、我々の改造で折角強くなったというのに。アルディアの空港で、バカなハンターのせいで殺されてしまったのだよ」
エルク「何!? それじゃあ…」
ガルアーノ「そうだエルク、お前が殺したも同然なんだよ」
………アルディア空港 飛行船甲板………。
アルフレッド「助けてくれ…。殺さないでくれ、お願いだ。 ぐはっ」
シャンテ「いやーっ!!」
エルク「許せん、お前だけは許せん!! それが人間のする事か!!」
ガルアーノ「人間…? エルク、それは私に言っているのかね? 残念ながら、それは間違いだな。この部屋に、人間というモノは君達だけしか居ないのだよ。わざわざ罠に掛かりにやって来た、愚かな人間達、しかな」
エルク「ふざけやがって!!」
ガルアーノ「さて、その愚かな人間諸君に、相応しい仕事を与えてあげよう」
シュウ「仕事?何をさせるつもりだ?」
ガルアーノ「知りたいか?なら教えてやろう。キメラ研究所の本部で、キメラの素材になるという仕事だよ!!」
パーティ平均レベル:レベル22(シュウはヤゴス島墜落の時点からレベルがプラス10となる)
ガルアーノは偽物だった。偽ガルアーノとホブゴブリン4体。
落ち着いて1体1体相手をすれば別に恐くもなんともないはず。攻撃力の上がりきったスティンガーを装備したエルクが魔法のりんごで毎ターンチャージしていれば、どんなモンスターが相手でも、そのほとんどが一撃で片付くはず。
エルク「ガルアーノ、ここまでだな。さあ、『白い家』の場所を教えて貰おうか?」
ガルアーノ「知らんな」
シュウ「とぼけるなガルアーノ!! キメラ研究機関を操っているのは貴様だと分かっているんだ」
ガルアーノ「ふふふ…、はっはっはっはっはっ」
エルク「何が可笑しい!?」
ガルアーノ「お前ら、まだ私がガルアーノ様だと思っているのか?」
リーザ「!?」
ガルアーノ「お前等などに、あのお方の邪魔など出来んのだよ。さらばだ! ははははははっ」
シャンテ「そんな…」
エルク「シャンテ…」
偽ガルアーノは消え、リゼッティ警部率いる警官隊が突入してきた。
リゼッティ警部「アジト内に残っている奴等は、一人残らずひっ捕らえろ! いいか、奴等が何処に隠れていても必ず探し出せ!!」
警官1「はっ」
警官2「はっ」
リゼッティ警部「よし、行けっ!!」
リゼッティ警部はエルク達の方に近付いて来た。
リゼッティ警部「ジーンを倒したようだな。よくやったなエルク! どうしたエルク?」
リゼッティ警部を無視し、シャンテに声を掛けるエルク。
エルク「シャンテ…。知らなかったとはいえ、俺がお前の弟を殺してしまったのは事実だ。俺のことが憎いのなら、好きにして構わん。殺したいのなら殺せばいい…。しかし、仲間を助けるまでは待って欲しい」
だが、シャンテにエルクを責める気などなかった。
シャンテ「エルク…。私に貴方を責める事は出来ないわ。私が…。弟の為に他人を犠牲にしようとした私が、大切な弟を殺してしまった!!」
リーザ「シャンテ…」
シャンテ「みんな、私を許せないでしょう?裏切り者の私を…。でも、私は弟の敵を討ちたいの…。だからお願い、一緒に戦わせて…」
ここで、場面は変わって森の中にその機体を隠したシルバーノアのシーン。
チョンガラの召喚獣であるケラック・モフリー・ヘモジーに協力してもらい、チョンガラとポコがシルバーノアの手入れを行っていた。
ポコ「モフリー、もうちょっと右の方お願い、そう、そのへん」
チョンガラ「こりゃー、ケラック!真面目に、やらんかぁ!!」
ケラック「うきーっ!!」
チョンガラ「うきーっ、じゃない。うきーっ、じゃ。全く、しょうがないのぉ」
イーガ「おい、作戦会議だ。中に入れ」
チョンガラ「おお、やっと動く気になったか」
ポコ「待ち草臥れちゃったよ」
チョンガラ「女神像を壊してから、目立った事をしとらんからのぉ。うひょひょひょ、腕が鳴るわい」
イーガ「敵の目的がはっきりしないのだ。ハデに動く事は出来ん」
チョンガラ「お前さん相変わらず堅いのぉ。 おい?」
………シルバーノア作戦室………。
チョンガラ「待たせたの!」
トッシュ「遅ぇんだよ」
チョンガラ「何を!?」
ゴーゲン「また始まったわい」
アーク「みんな、聞いてくれ! ロマリアが、モンスターの研究をしているのは知っているな」
トッシュ「おお、キメラ研究所、とかいう奴だろ」
アーク「そうだ」
ポコ「世界各地にある、モンスター工場だよね」
ゴーゲン「最近では、世界中の異能者を集め、その力をモンスター強化に充てているとも言うぞ」
ポコ「酷い事するな………」
アーク「ああ、しかも奴等は、更に新たな計画を密かに世界中で進めているらしい。そして、それを動かしているのはアンデルだ。これは絶対に阻止しなければならないだろう」
イーガ「しかし………相手の計画の中身が判らぬと、こちらも動きようがないな」
アーク「イーガの言う通りだ。このままでは作戦の立てようがない。そこで、まずは俺一人で、このアンデルの計画を調べてみようと思うんだ。その間皆には、各地に在るキメラ研究所の破壊を頼みたい」
トッシュ「おう、そうこなくっちゃな」
イーガ「久々の大仕事だな。腕が鳴るぞ」
アーク「残された時間は僅かだ………各々に、世界各地に在る研究所を受け持ってくれ」
ポコ「みんな、ばらばらになっちゃうのぉ?ぼく、一人で行くのはやだなぁ」
チョピン「ご心配なく。各地には、私がお送りします」
アーク「みんな、苦しい戦いになるだろうが頑張ってくれ!」
ポコ「アークは先ず、何処に向かうの?」
アーク「俺は、アルディアにある『白い家』という奴等の秘密施設に行ってみようと思う。そこにどうやらアンデルが出入りしている様なんだ」
トッシュ「よぉし!さっさと出発だ!」
チョンガラ「こりゃー、おまえたち」
ヘモジー「…」
ケラック「キィーッ」
チョンガラ「出発するぞい、早く乗り込まんかい」
ケラック「ウキキィーッ!?」
ヘモジー「!」
………インディゴス酒場………。
一方その頃、ガルアーノの屋敷から戻ったエルク達は。
エルク「結局、ガルアーノの野郎には逃げられちまった」
シュウ「だが、奴の行き先は一つしかない」
リーザ「白い家…ね」
シュウ「ああ、あの屋敷など奴の沢山在る隠れ家の一つに過ぎない」
エルク「あそこには、まだ大勢の人達が捕まっている筈だ。絶対に助け出さなければ…絶対に!」
シャンテ「シュウ、白い家の場所は知っているの?」
シュウ「具体的な場所は判っていない。ただ、西アルディアにある『サルバ砂漠』の中にあるらしい、という情報は掴んでいる」
リーザ「じゃあ白い家に行くには、先ずその砂漠を越えなくちゃいけないのね」
シュウ「そういう事だ」
エルク「よし、とにかく行ってみよう!!」
ここでガルアーノの屋敷は空家となり、そこを舞台としたギルド仕事がプロディアスで3連続で発生する。
それらの後にフリーバトルエリアとなるので、ティアヌスという手配モンスターからうににゃんそーど
を盗んでおくのを忘れないように。
これは装備すると防御力が20も上がるので、防具を装備できないニンジャを育てるのに最適。
そして、ヒエンに乗ってヤゴス島へも行ってみよう。
ヂークベックの修理が完了し、パーティーに入れる事が出来る。
ヴィルマー「おお、やっと来たな。例のロボットの修理が終わったんじゃ。早く作業室に行って見てくれ」
エルク「おっ! これがあのポンコツか?」
リーザ「あはっ、かわいい! キャッ!」
ヂークベック「おマエラ、ワシを、バカニシトるンカ!」
エルク「わ、悪かった、機嫌直してくれ」
ヂークベック「ワカれバイイ、ハナしハハカセカラキイてル。キょウカラナカマニなッチャル。アリガタクおモヘ」
ヴィルマー「それから、これを持って行け。それらは、パワーユニットという、ヂークベックを強化するパーツなんじゃ。ヂークベックは機械じゃから、戦闘で成長する事はない。その代わり、強力なパワーユニットを手に入れる事で、いきなり強くする事も出来る。今渡した、四つのユニットは各々、無属性の他、地水火風の属性を持っておる。各々状況に応じて付け替えてやれば、更にパワーアップじゃが、一度に装備出来るユニットは二つ迄じゃ。勿論、火と水の様に反対属性同士の装備は出来ん」
ヴィルマー博士からはパワーユニット(Pチャージャー・Pアースボーン・Pスティルウォーター・Pファイアイーター・Pブラスト)5種をもらえる。
ついでに、手配モンスターのメナンを封印の遺跡地下1階で倒し、スケールレッグを入手してしまおう。