村長「さあ、この門から先はお前達ワイト家の者しか入れない」
ククル「約束通り、この村から出してくれるの?本当に自由にしてくれるの?」
村長「ああ本当だとも。でもその前に、シオン山の山頂にある封印の炎を……」
ククル「分かってる」
ククルは封印の炎を消し去るために、精霊の山の山頂の社へと一人向かった。
ククル「もう3000年も燃え続けている精霊の山シオンの炎。一体、この炎にどんな意味が……? そんなこと気にしている場合じゃない! 年が明ければパレンシア城から迎えが来る。それが我が一族の掟……。そして、神の血を引く娘として王子と結婚させられる。そんなのは、ご免だわ」
ククルは燃え続ける炎に近付き、両手をかざして自らの力を込めた。すると炎は簡単に消えてしまう。
ククル「…………ふぅ。何も起こらなかったじゃない」
ククルは安堵の溜め息を漏らしたが、それもそう長くは続かなかった。
突然、辺りの空間一帯を杳く染める存在が現れ、ククルに語りかけた。
声「よくぞ、シオンの炎を消した! 3000年もの長きに渡り、我を封じ込めし炎を……」
ククル「…………?」
ククルは不意に響く声を感じ取り、周りを見回す。そしてそのまま、麓へと戻り始めた。
辺りは、いつしか雪がちらつくようになっていた。
村長「神の血を引く一族しか入れない結界に守られたシオンの炎も、じゃじゃ馬娘のお陰でついに消えるか。 戻ってきたようだな……」
ククルはとぼとぼと引き返してきた。
村長「おお、待ちかねたぞ!」
ククル「………」
村長「どうした?」
ククル「声が……、とても恐ろしい声がした。きっと、よくない事が起きる気がする……」
村長「ククルも意外と臆病だな。さあ、帰ろう」
先に歩き出すククル。村長はちらりと後ろの精霊の山を見た後呟いた。
村長「フフフ……上手くいった。アンデル大臣にたっぷりと褒美をもらわねば……」
その夜、シオン山は10年振りの吹雪に見舞われた。
アーク「父さんの形見の鎧と剣。 この中にあるのは分かっているんだけど。鍵が掛かってるなんて……」
アークの後ろから、母親がやってきた。
アーク「………! 母さん、あの日も、今夜みたいに凄い吹雪だったんだよね?俺、今夜山に行けば父さんが母さんと俺をおいて消えた訳が分かる気がするんだ」
アークの母「あなたのお父さんはね、死んだのよ……」
アーク「父さんが死んだなんて嘘だろ?あの強かった父さんが簡単に死ぬはずない」
アークの母「山にはきっと恐ろしいモンスターがいて……」
アーク「もしも、父さんがモンスターに殺されたのなら……俺が父さんの敵を討ってやる! 母さん……、俺、自分自身の目で確かめたいんだよ」
アークの母「アーク……」
母親は覚悟を決めたのか、父の形見の入った箱の鍵を開けた。
アーク「母さん……」
アークの母「あの人が旅に出て10年。あの人の言葉通りになってしまった」
アークの母「あなた……。どうしても行ってしまうの」
アークの父「分かってくれ、ポルタ。この世界の運命に関わる事なのだ」
アークの母「なんであなたが……。私とアークはどうすればいいの……?」
アークの父「………すまない。だが私がやらなければ……」
アークの母「嫌です! 私はごく普通の幸せがあれば…」
アークの父「10年後の今日、封印が解かれ、再び山が荒れる……。その時アークは山へ向かう」
アークの母「山が荒れる?」
アークの父「封印されていたモンスターが現れる」
アークの母「そんな所へあの子が……。やめて下さい!何もかも!」
アークの父「ポルタ……。その日まで我が子を、アークを頼んだぞ!」
アークの父ヨシュアは、こうして幼いアークと妻ポルタを残し、旅立っていった。
ここで、宝箱を調べるとアークはそれらを装備する。そしてこの部屋の左側の上の壷を調べる(◯ボタンを押す)と、薬草が1つ手に入る。更に、隣の部屋のストーブを調べると石が手に入り、鏡台の鏡を24回調べると魔法のカードが手に入る。
ここで、アークは2種類の行動のうち、どちらかを実行出来る。
1つは、母親に話し掛けずに家を飛び出す。これだと疾風のバンダナが入手出来る。
もう一つは母親に話し掛け、カイザーグローブを入手する。
どちらでもアイテムが手に入るのだが、疾風のバンダナに関してはこの後も入手の機会があり、別にここで入手しておかなければならない理由はない。一方のカイザーグローブはここでしか入手出来ない。よって、ここでは2番目の母親に話し掛けてカイザーグローブを入手しておこう。
以下の会話は、アークが母親に話し掛けずに飛び出そうとした場合のもの。
アーク「どうしても、自分の力でやってみたいんだ」
アークの母「ヨシュア、アークを守って……」
アーク「母さん………」
アークは一度家の方に振り返り、吹雪の中を走り出した。
以下の会話は、母親に話し掛けた場合のもの。
アーク「母さん、心配しないで……」
アークの母「………アーク、これを持って行きなさい」
カイザーグローブをもらいました。復活の薬をもらいました。回復果物をもらいました。聖水をもらいました。
入手アイテム:薬草、石、魔法のカード、母に話し掛けた時(カイザーグローブ、復活の薬、回復果物、聖水)
ククル「炎が消えた事で、一体山の中で何が……。 私のせいなんだから、自分で何とかしなきゃ」
独り、精霊の山の社へ向かおうとするククルの後ろから、家を飛び出してきたアークがやってくる。
ククル「誰……。何しにここへ?」
アーク「俺はアーク。お前こそ誰なんだ?」
ククル「私はシオン山の封印を守る一族のククル。でもその運命に縛られたくなくて、この山の封印の炎を消してしまったの。そうしたら急に山が荒れだして、私、もう一度炎を灯そうと思って……」
アーク「その松明を渡せよ。俺が付けてきてやるよ」
ククル「だめ!今恐ろしい声が山から聞こえたわ。炎を消した事で何かが目を覚ましたのよ。私のやった事であなたが危険な目に……」
アーク「もし、山に化け物がいるなら、そいつは10年前、父さんを殺した奴に違いない。誰が止めようと俺は行くぜ」
そう言うと、アークはククルから松明を渡してもらい、精霊の山へと歩き出した。
アーク「安心しろ。炎は俺が付けてきてやるよ」
ククル「アーク……」
アーク「………!」
一体のモンスターが吹雪の中、上空から舞い降りてきた。
アークデーモン「お前が封印を解いた勇者か?」
アーク「……父さんを殺したヤツだな!」
アークデーモン「何の事だか解らんな。俺は封印を解いた勇者を殺し……、3000年の呪いを断ち切るのだ! 覚悟するがいい!」
アークはアークデーモンの一撃を受け、あっけなく倒れ伏してしまう。
アークデーモン「違う!こんなヤツじゃない!どこにいる?俺を呼び覚ましたヤツは!」
アークデーモンは、自らの封印を解いた者を見つけ出す為に飛び去っていった。
アーク「こんなところで死んでしまうのか……。ちくしょう………」
満月の輝く雲間を裂いて、アークのもとに一筋の暖かい光が差し込んだ。
アーク「な、なんだ? 力がみなぎって来る!」
声「立ちなさい」
アーク「誰?」
山の精霊「私はこの山の精霊……。ずっとここで聖櫃を封印する炎を見守って来ました。山頂へ向かいなさい。山頂の社に炎を灯すとモンスターは消えます」
アーク「分かった。火を付ければいいんだね?」
山の精霊「ええ。しかし、あなたはもう一度炎を消しに来ることになります」
アーク「なぜ?」
山の精霊「それが、あなたの運命なのです」
アーク「運命?」
山の精霊「人類は滅亡に向かって突き進んでいます。 あなたはそれを止める運命を背負っているんです。 聖櫃の力を手に入れる事によって……」
アーク「人が滅びる?」
山の精霊「あなたのお父さんが、我々精霊と約束をしました。滅亡を食い止めるために。そして、あなたはやって来たのです。約束に従い、モンスターと戦う力をあなたに与えます」
アーク「そんなこと言われたって、何の事だか解らんないよ………」
山の精霊「今にきっと分かります。頼みましたよ」
アークは精霊の力を手に入れた。
アーク:レベル1
アークザラッド1の最初のバトルの相手はグリーンスライム5体。一撃で倒せるので、ダメージが蓄積しなければ別に苦労はないはず。グリーンスライムはよく分裂をしてくれるので、そうなると時折落とすアイテムである薬草を何個も入手でき、レベルも3まで上げられる。バトル開始後、何もせずに行動終了し、グリーンスライムのほとんどが1回ずつ分裂してから倒していくのがいい。
グリーンスライムの移動範囲(3スクエア)より少し離れた所で行動終了し、アークの移動範囲内に入ってきたら近付いて仕留める。この繰り返しで、ノーダメージで切り抜ける事も可能。段差の上の宝箱は、段差の下の方から上へ向けてジャンプして上がり、攻撃して開ける。中には回復果物が入っている。
バトル中、ターンの回って来たキャラクターに特殊能力やアイテムを使わせたい時は、△ボタンでアイテム、□ボタンで特殊能力を選択できる。STARTボタンでキャラクターのステータス画面を呼び出し、さらにもう一度STARTボタンを押すと、戦闘中でもアクセサリーの装備を変える事もできる。
入手アイテム:回復果物、薬草、復活の薬
モンスター:グリーンスライム5体
アークデーモン「お前が封印の炎を消してくれたのか?」
アークが戻って来るのを待っていた麓のククルの前に、先程のアークデーモンが現れた。
ククル「……………」
アークデーモン「礼を言いたいところだが、お前を殺さない事には自由になれんのでな」
その頃、アークは吹雪の収まったシオン山頂上に辿り着いていた。
アークデーモン「我が3000年の怒りを受けて死ぬがいい」
ククル「きゃぁぁ」
アークデーモン「なんだ!? 誰が再び炎を………」
アークデーモンの体は光り始め、瞬く間に消滅してしまった。
ククルが見詰める先の、シオン山頂上は一際明るく輝いていた。
数日後。噂はパレンシアの都にまで広まり、アークは城に呼び出された。
アーク「それじゃ母さん、行くからね」
アークの母「………。 お前も、行ってしまうのかい?」
アーク「そんな、大した事じゃないよ。王様に呼ばれてパレンシアの都に行くだけじゃないか。兵士に取り立てられれば母さんにも楽してもらえる」
アークの母「………体を大切にね。つらくなったら、いつでも戻っておいで。」
<ゲーム開始直後に母に話し掛けずに家を飛び出した時>
アークの母「………アーク、これを持って行きなさい」
復活の薬、聖水、疾風のバンダナを受け取る。
母に話し掛け、カイザーグローブを入手している場合は何もない。
アーク「ああ、そんなに心配するなって」
アークの母「アーク……」
村の入り口まで、ククルはアークについてきた。
アーク「もう、ここでいいよ」
ククル「私ね。あの後、一族の掟とされてる古文書を読んでみたの。それに書かれていたのはね……」
『スメリアは和の力をもって働く国。ワイト家は和するための糸を紡ぎ織る家。ワイト家の娘は強き支えとなるよこ糸。世落ちる時、火昇る
勢いのたて糸現れ、これにつかえこの世を正しきに導く』
ククル「つまり、世が終わりかけた時に現れる勇者を助けて働くってことだと思うの。何だか、すごい話でしょ」
アーク「そう言えば、あの夜会った精霊も、人が滅びるとか俺の運命とか言ってたけど、………そんな事より、俺、父さんに会いたいんだ。とにかく俺は村を出て行く。パレンシア城に行けば何か分かるかも知れない」
ククル「………アーク、あたし………。あなたの後を追い掛けていくわ」
アーク「ククル………」
ククル「別に好きだからとかそういうんじゃないの。私には分かる。あなたはたて糸で私の従う道なのよ」
アーク「道?」
ククル「そう、道。あなたが進んでいく時、そこに道が出来る。それがどこに続いているのか、私には分からないけど……、私はその道を歩いていくような気がするの。古文書には、一族に伝わる不思議な力についても書いてあった。今は一緒には行けないけど、必ずその力を手に入れてあなたを追い掛けるわ」
アーク「……分かった。じゃ行くから………」
ククル「アーク、元気でね」
アークはパレンシアへ向けて歩き出した。
ここで初めてのフィールドマップとなる。
アークザラッド1では基本的にこのマップ画面で行きたい所を選択して進んでいく。
ここで△ボタンか□ボタンを押すと、データのセーブができる。
今はトウヴィルとパレンシアの2箇所しか行けないので、パレンシアを選択する。
もしトウヴィルを選択すれば、アークは実家に帰って母から薬草をもらい、ヨシュアの手紙を読む事ができる。
ヨシュアの手紙
『お前の旅の助けになればと思い、これを書いている。命を大切に、戦い抜いてくれ』
手紙はアークのために色々なアドバイスをしてくれる。その項目は次の通り。
●強くなるためには
●作戦をたてるには
●敵からダメージを受けないためには1
●敵からダメージを受けないためには2
●うまく戦うには
アーク「これがパレンシア城か……」
アークがパレンシア城の前まで来ると、丁度パレンシア候軍が出撃していくところだった。
アーク「何だ?戦争が始まるのか?」
兵士「おーい!待ってくれよー!」
一人の新米らしき少年が隊列から遅れ、アークの前で転びながら走り去っていく。
門兵「パレンシア城に何の用だ小僧。ここは子供の遊び場ではないぞ!」
アーク「遊びに来たんじゃない。俺はトウヴィルから来たアーク。王様に呼ばれたんだ」
門兵「トウヴィルのアーク。こんな子供だったのか……。話は聞いている。通ってよし」
アークは謁見の間まで通された。
大臣「トウヴィルのアーク、入るがよい」
国王「お前が、アークか?」
アーク「はい」
国王「シオン山での活躍、儂の耳にも入っておる。変わった力を持っているそうじゃな?」
アーク「山で精霊から力をもらいました」
国王「精霊とな? それで、精霊はお前に何と言った?」
アーク「はい、精霊は、人が滅びると言ってました」
国王「人類が滅びるとな。それは……」
大臣「アークと申したな。滅多な事を口にするものではない。王よ、このような子供の話など………」
国王「世界が滅びる……皇太子であった兄が姿を消した時にもそんな事を……。アークよ、お前に頼みがある。我が国に伝わる聖櫃に関するものだ……」
大臣「この者が伝説の勇者だと決まった訳ではないのですぞ。まだその話は早いかと」
国王「ではどうすれば良い」
大臣「私にお任せを。アークとやら、お前が本当に精霊の力を授かった者かどうかを試させてもらおう。ここから北に行くとコルボ平原という場所がある。そこのモンスターを退治してきて欲しいのだ。既に討伐部隊が出発しておる。すぐ行って彼らの前でその力を見せてみるがよい」
アーク「はい」
国王「期待しておるぞ」
コルボ平原に着くと、そこには大臣の言う討伐部隊らしき人陰は見られなかった。
アーク「おかしいな……。モンスター討伐部隊はどこに行ったんだろう? !」
とその時、兵士の一人が草むらから飛び出してきた。
ポコ「どうか命だけは助けて下さい。お願いします。助けて…助けて…助けて…。死にたくないよぅ。 何だ。てっきりモンスターだと思って。部隊のみんながいくら待っても戻って来ないんだ。きっとモンスターにやられちゃったんだと思って一人で隠れていたんだけど…」
アーク「だらしない兵隊だなぁ」
ポコ「ぼくは、ポコ。元々兵隊なんて向いてないんだ。争い事よりも、楽器を鳴らしている方が楽しいんだもん」
アーク「俺はアーク。トウヴィルからやって来て取り敢えずモンスター退治を手伝うように王に命じられたんだ」
ポコ「早く逃げようよ。モンスターが現れる前に……」
ゾンビ「まだ生き残りがいたか!」
ポコ「あぁぁぁ、来ちゃった! どうしよう!?」
アーク「ごちゃごちゃ言うなよ、戦うしかないだろ!」
ポコ「戦うったって、僕は楽隊だから武器は持ってないよ」
アーク「だったら楽器で戦え! 行くぞ!」
アーク:レベル3
出現するモンスターはゾンビ・ゴースト・グリーンスライムが3体ずつ、エレメンタルが1体という多さ。だが、ゾンビとエレメンタル以外は一撃で倒せるので、敵の間合いよりも少し離れたところで一旦行動終了し、近付いてきたところで攻撃に移ろう。アークでダメージを与え、ポコがトドメを刺すようにすれば効率的でこちらはダメージを受けにくい。
入手アイテム:石、聖水、パロの実、みなぎる果実、毒薬、薬草
モンスター:ゾンビ3体、グリーンスライム3体、ゴースト3体、エレメンタル1体
アーク「やればできるじゃないか」
ポコ「アークって不思議だね。君といると力がわいてくる気がする」
アーク「とにかく戻って、王様に報告しなきゃ」
モンスター討伐に成功したアークとポコは、パレンシア王に報告をする為、パレンシア城に戻る。
アーク「コルボ平原のモンスター討伐の報告に来ました」
大臣「なぜ、討伐部隊の者がおらん?」
ポコ「それに関しては、ぼくが、あの………その………」
大臣「お前は?」
ポコ「はい、討伐部隊のポコです」
大臣「お前が?」
ポコ「はい、それで、その……部隊はぼくを除いて全滅したんです」
国王「なに? 全滅とな!」
大臣「嘘をつくな。あの部隊は軍の中でも王をお守りする最高の兵士達だぞ。……では、お前達は逃げ帰って来たのか?」
アーク「いいえ、ご命令通り退治してきました。ただ、あそこのモンスターはいくらでも出て来ますよ」
国王「何、いくらでも!」
大臣「お前達のような子供だけで、あの部隊を全滅させたモンスターを倒せるわけがないだろう」
パレンシア兵「報告致します。モンスターがパレンシア城に向かって来ております。今にも城に達するかと」
国王「今にもとな!」
大臣「兵達は何をしておる!」
パレンシア兵「それが、一向に歯が立たず……」
アーク「じゃあ、俺の言ったことが嘘かどうかお目にかけますよ。行くぞポコ」
アークはポコを連れ、城外へと駆け出していった。
国王「お目にかけるとな!」
ククル「何で、こんな街の中にモンスターがいるの?」
ポコ「大変だ!女の子がモンスターに襲われてる!」
アーク「ククル!」
ククル「アーク、どうなってるの?」
アーク「俺達が倒したモンスターが仕返しにやって来たんだ。今、助けるから待ってろ!」
アーク:レベル4
ククルをパーティに加えてのバトル。ククルは最初のターンで一番近くにいるグリーンスライムを1体倒し、アークらが追い付くまで離れて待機。ククル一人に、この辺りで集中的に経験値を稼がせておくと、後は放っていてもどんどん成長していく程の存在になる。メイジはドリームノックで眠らせようとしてくる。HP・防御力が低いので、厄介と感じるなら真っ先に倒すようにしたい。破戒僧は、ポコに戦の小太鼓を使わせて攻撃力を高めたアークかククルで早めに倒すこと。
この辺りで、バトル時の役割をハッキリと。ククルにバトルの主導権を握らせ、アークがバックアップ。そしてポコが特殊能力やアイテムでサポート。3人全員が回復の特殊能力を覚えるため、オールマイティに活躍出来る。アークはゲームの全体を通じて常に中心で活躍するので際立ってレベルアップしやすい。それなら、成長が遅れ気味のククル・ポコにずっと前線で闘わせていればパーティ全体のレベルは平均的で安定。
入手アイテム:まにあわせのくつ、魔法のカード、魔力の葉、聖水、回復果物、薬草、眠り玉
モンスター:グリーンスライム3体、ゴースト3体、破戒僧1体、メイジ1体
アーク「ククル、大丈夫か?」
ククル「私だって立派に戦えるでしょ?」
そう言った途端、ククルはその場に倒れ込んでしまった。慌てて駆け寄るアークとポコ。
アーク「ククル……」
ククル「約束通り、力を手に入れて来たんだけど、急に使い過ぎたみたい。大丈夫、ちょっと休めば……」
アーク「しゃべるな」
ポコ「休ませなきゃ」
アークらは謁見の間へと再び通された。
国王「よくぞ、モンスターを追い払ってくれた」
アーク「俺達の力が分かってもらえましたか?」
大臣「分かったかだと!? お前の話しているお方をどなただと思っているのだ」
国王「やめないかアンデル! いいではないか。間違いなくこの者達の力で救われたのだから。つまらぬ事を言って悪かったな。では、この間話し掛けた聖櫃を、お前に探してもらおうと思うのじゃが……。その前に、この国に伝わる伝説と儂の兄について話さなければならん」
『この国の王家には古にスメリアに運ばれた聖櫃に関する伝説が代々伝えられている。それによると、かつて、人の王が驕りたかぶり天界に登り、神をも支配しようとしたため、神の怒りを買い、一度、人類は滅亡しているというのだ。その時に、神から人の世の終わりを知らされた僅かな人々が、人類の遺産を聖櫃に詰め、神の定めた地スメリアに旅をしたというのだ。そして、その聖櫃は、再び人類が滅亡の危機に瀕した時、勇者によりその封印を解かれただ一つの救いとなるだろう。と、伝えられている。その伝説を信じる者などいなかった。だが、儂の兄は信じておったのだ。その兄は、20年前我が国との戦争をやめさせる為にミルマーナへ出掛けて行き、トヨーケの森で行方不明となってしまったのだが……』
国王「その時、兄の残したのが『人類が滅亡する』という言葉なのだ」
大臣「王までそのような事を申されては……」
国王「モンスターが暴れ、異常な事が続く今になって兄の言葉と、この伝説が思い起こされるのだ。アークよ。ポコと二人でミルマーナのトヨーケの森に行き、兄が何を見たか、そして聖櫃がこの国のどこにあるのか、どうすれば手に入れる事が出来るのか、それを調べて来て欲しいのじゃ」
ククル「王様、私も2人に同行させて下さい」
国王「お前は?」
ククル「聖地シオン山を代々守る一族の娘でククルと申します」
国王「お前が、トウヴィルのワイト家の娘か」
ククル「私の力は、王家だけの為のものではなく、勇者と力を合わせ人の未来を創る為のものと古文書で知りました。その事を証明したいのです」
大臣「お前のような小娘が……」
国王「よかろう。3人で行くがよい。空港に飛行船を用意させてある。期待しておるぞ」
アーク「任せてください」
アークが空港へと向かう時、パレンシア城の別室では大臣アンデルが鏡に向かって話をしていた。
大臣「スメリア王は、トウヴィルのアークという少年に聖櫃を探させるようです」
鏡「お前の小細工が、勇者を目覚めさせてしまったのではないのか?」
大臣「まだ奴が勇者と決まったわけでは……。奴はミルマーナに向かいます」
鏡「よし、ヤグン将軍に奴の力を試させよう。もし奴が本物の勇者だと知れた時の考えはあるのだろうな?」
大臣「はっ、考えてございます」