とある静かな研究室に、突然轟音が木霊する。
研究者「地震か?」
と男性が呟くが、どうやらそうではないらしい。
男「はかせぇ! はかせぇ!! はかせ? はかせぇ!たいへん!!」
研究者「何じゃ、騒々しい」
男「はかせ!! そらから、鉄のかたまり落ちてきたぁ! でかい、でかい、鉄のかたまり!! なかに、人、はいってる!!」
研究者「飛行船が落ちたんじゃな。で、中の人間は生きとるんか!?」
男「ぴくぴくしてる」
研究者「ええい、お前では話にならん。そこに案内せい!!」
イライラした研究者は、直接自分が行ってみることにした。
場面は変わり、エルクの夢の中。そこには、公園で親友ジーンと遊ぶ幼い自分がいた。
ジーン「なぁ、エルク」
エルク「ん?」
ジーン「お前、ミリルの事が好きなんだろう?」
エルク「何だよいきなり!?」
ジーン「隠したって、俺には解るんだよ。 で、好きだって言ったのかよ?」
エルク「い、言えないよそんな事…」
ジーン「しょうがねぇなぁ。……………よし! おーい、ミリル!」
エルク「よせよ、ジーン!」
ミリル「? エルクが呼んだの? なぁに?」
エルク「いや、あの………」
ミリル「どうしたの? 2人でこそこそ、おかしいわよ?」
ジーン「実は、エルクがさ………」
エルク「やめろよ! 何でもない、何でもないから!! ジーン!」
エルクはジーンの頭を小突いた。
ジーン「へへっ」
ミリル「おかしな2人ね、ふふふふ」
ここで夢は終わり、エルクは目覚める。
リーザ「気が付いたのね………良かった」
エルク「ここは………?」
リーザ「私達を助けてくれた人の家よ」
エルク「………助かったのか。 夢を見ていた。村を襲われた後、連れて行かれた所の…」
リーザ「思い出したの?」
エルク「いや、途切れ途切れで。 はっきりしないんだ…」
話をしているところに研究者が様子を見に来てくれた。
研究者「何じゃ、生き延びおったか。 この世界がそんなにしてまで生きていたいと思う程、素晴らしいとも思えんがの……」
エルク「あんたが助けてくれたのか?」
研究者「礼ならその娘に言うんじゃな。寝ずに看病してくれたんじゃからな」
エルク「そうだったのか…リーザ、ありがとう」
素直に感謝し、お礼の言葉を言うエルク。が、その時シュウがいないことに気付く。
エルク「ところでシュウは………。 シュウはどうした?」
リーザ「それが……私も気が付いた時には2人だけで………」
エルク「何だって!とにかく捜さなきゃ」
エルクとリーザは、研究者に状況を聞きに行く。
エルク「仲間が1人いないんだ、じいさん、何か知らないか?」
研究者「知らんな」
エルク「そんな筈ない!俺達と一緒に飛行船に乗ってたんだ」
研究者「こんな島に来る物好きなど、お前ら以外におらんわい」
エルク「じゃあ、あんたはこんな所で何してるんだ?」
研究者「お前らには関係ない。あれこれ詮索する元気があるなら、さっさとこの島を出てって欲しいもんじゃな」
エルク「しかし、飛行船が………」
研究者「そんな事儂には関係ない。自分で何とかするんじゃな」
取り敢えず研究所を後にし、あちこちを歩き回ることにする。
まずは、研究所を出て南に進み、エルク達から見て向かって左手に最初に見える家の前の女性に話し掛ける。彼女は、犬を飼っているということでドッグフードをくれる。これでバーンズさんの犬に更に芸を教えることができる。
1度ユドの村を出ると、また女性からドッグフードをもらえることをお忘れなく。ただ、このヤゴス島をクリアしてしまうとしばらくの間もらえなくなるので、全ての芸を仕込みたい人は何度か村を出入りしてドッグフードを確保しておこう。ちなみに、白い家(西アルディア)に行く事ができるようになる頃は、話し掛ければいくらでももらえるようになる。わざわざ村から出ないといけないのは、最初にユドの村を見て回るこの時だけ。
そして、そのまま女性が目の前にいるその家に入り、階段を下りるとスモールソードがある。更にそこから左の壁はすり抜けて行くことができ、壁際から2歩壁の中に進んでそこから上に突き当たるまで行き、1歩左に進んで下に1歩、そして左に突き当たって上に1歩、そこから左へ、と進めば長老のはちまきが手に入るはず。
これは壁の中を感覚的に進むので、この説明で判らなければ何度か上下左右に進んで辿り着いて欲しい。無事長老のはちまきを手に入れることができたら、リーザにでも早速装備させておこう。これがあれば高い確率で防御してくれるだろう。
これと疾風のバンダナを併用すれば回復専門として大いに役立ってくれる。
もちろん、その逆にエルクにこの2つを装備させれば前線でどんどん闘わせることができる。
次に、その家から左に進み、水道のある屋根付きの小屋へ続く砂利道があり、直角にカーブしている。そこは丁度真下の家の裏にあたり、その砂利道の脇の木のすぐ左から下に進むと中に入ることができる。要するに、家の勝手口から入る感覚だ。
ショップのすぐ上の家なので、入ってみれば家の中の上の方に宝箱があることに気付くはず。
中には反撃のバンダナがある。これは防御力も高く、反撃レベルが1上がるのでこれこそリーザに装備させておきたい。
それと、村の入り口のショップで初めて鞭が手に入る。短剣ばかりでなく、鞭の熟練レベルも上げておきたい人は購入してリーザに装備させてあげよう。また、いい薬草もお金に余裕があればいくつか購入しておこう。
ユドの村ショップ |
復活の薬 <1000G> | 万能薬 <1000G> | いい薬草 <82G> |
薬草 <60G> | ソード <400G> | ナイフ <200G> |
クラブ <300G> | アイアンナックル <225G> | ウィップ <400G> |
パッド <400G> | ファング <200G> | 布の服 <400G> |
皮の肩あて <400G> | | |
さて、一通り村の中を見て回ってからヴィルマー研究所に戻り、作業室に入ってみる。ここには壊れたはずのヒエンが運び込まれており、ヴィルマー博士が修復作業を行ってくれていたらしい。
エルク「ヒエンか?…」
リーザ「落ちた時より綺麗になってる…」
エルク「えっ、じゃあ…」
ヴィルマー「何じゃ!? 勝手に入って来おって」
エルク「博士…」
ヴィルマー「勘違いするんじゃないぞ、別にお前達の為にやってるんじゃないわい」
リーザ「どうして…そんなに…」
ヴィルマー「お前達が、何をしにこの島へ来たのか 判らん内は………」
男「はかせぇ! たいへん! たいへん!! リア、いせき行った。だいぶ時間たったがもどらない」
ヴィルマー「遺跡にじゃと!! あれ程あそこに行ってはいかんと言っておったのに」
男「いせき、モンスター出る。心配、心配、うんと心配」
ヴィルマー「リア…」
リーザ「大変、早く行かないと…」
エルク「ちっ、世話が焼けるぜ」
放っておけないエルクとリーザはすぐにその遺跡へと向かう。
リーザ「何か、空気が悪いわ…」
エルク「モンスターの住みやすそうな環境だな」
リーザ「………」
エルク「さっさとリアを見付けて戻るか」
パーティ平均レベル:15
モンスターはジャイアントバット2体にマミィ1体。バット系モンスターは例外なく反撃レベルが0なので、どの方向から攻撃しても何の心配もいらない。エルク・リーザ・パンディットのレベルが12以上であればジャンプレベルが1になるので、ブロックは飛び越える事が出来る。しかし、もしもリーザ・パンディットのレベルが11以下ならジャンプできず、孤立しかねない。その場合はブロックの手前にモンスターを引き付けてから攻撃を。
封印の遺跡には貴重なアイテムが多く存在する。それは宝箱の他にフロアアイテムもそうだ。
ここで、バトル時の装備アイテムの使い分けというのを学んでおけばいい。
まず、地上1階には右上の宝箱にディフェンダーがある。リーザは、どんどんとレベルアップを図りたい時はグランドナイフ・反撃のバンダナ・復活の薬(入手していれば魔法のりんご)とし、逆にエルクやパンディットのサポートに徹する時はディフェンダー・長老のはちまき・すごい薬草(またはすごい布の服)などとする。
この辺りから装備用アイテムもバリエーション豊かなものになってくるので、状況に応じて、さらに細かくターン毎に魔法のりんごでチャージしておいて次のターンで他の防御力を優先したものに装備し直すといったちょっと高度な戦略も展開できる。
また、この封印の遺跡の攻略に当たり、リーザのレベルで少々問題が発生する。この封印の遺跡でブロックを飛び越えて戦うシチュエーションが幾つかあるので、ジャンプレベルが1以上なければならない。エルクはレベル12前後であれば全く問題は無い。リーザも、レベル12でジャンプレベル・反撃レベルが1になるので、できれば封印の遺跡の攻略前、または攻略し始めた頃にレベルを12以上にしておきたい。そうしないとブロックに阻まれて孤立し、バトルに参加しづらくなるので余計にレベルアップが遅れるという悪循環もあり得る。
パンディットも同様で、パンディットはレベル10で投げレベル・受けレベル、レベル12でジャンプレベル・反撃レベルが1になる。
エルク「もう地下2階だぜ… 本当にガキがこんな深くまで来るか?」
リーザ「…もうちょっと……もうちょっとだけ探そうよ」
エルク「て、言ってもなぁ…」
リア「キャアアアアーッ!!」
エルク「!?」
リーザ「今の声…」
エルク「リアだ!!」
突然リアの叫び声が奥からするのでエルクとリーザは急いでその声のした方へ向かう。
リーザ「いたわ!」
エルク「…かなりまずいな」
リアはマミィの群れに囲まれ、まさに絶体絶命の危機を迎えていた。
リア「来ないでよ!! リアなんて食べても美味しくないんだから。 いやーっ!!」
しゃがみ込んで泣き出すリア。
エルク「!?」
と、その時。壁に埋め込まれたロボットが動きだし、光線でマミィの群れを一瞬の内に焼き尽くしてしまう。
エルク「な、なんだ、今のは!?」
リーザ「リア…ちゃん? 大丈夫!?」
リア「ヒック…」
リーザ「ケガは無い?」
リア「え〜ん。恐かったよー!!」
エルク「…何だ? この壁は……」
リア「ヒック…おじいちゃんの…見付けたロボット…。 私を助けてくれたの」
エルク「助けたって…動いてるのか?」
リア「助けてくれたの!!」
エルク「…壊れてるようにしか見えないけどな…」
リーザ「取り敢えず、みんなの所に戻りましょうよ」
エルク「…ああ、ガキも見付かったし、長居は無用だな」
リア「ガキじゃないもん、リアだもん!!」
取り敢えずリアを助け出せたので、エルクとリーザはユドの村へ戻る。
村の入り口にヴィルマー博士が来ており、リアと抱き合う。
リア「おじいちゃん!!」
ヴィルマー「おぉ、リア!! 無事で良かった………。儂は、あんたらの事を誤解しとったようだ。すまなかった」
エルク「いや、俺達は何もしていないんだ」
ヴィルマー「?」
リア「私ね、おじいちゃんのロボットに助けてもらったの」
ヴィルマー「なに!? あのロボットが動いたというのか? 馬鹿な………動力は完全に止まっていたはずじゃ………。うーむ、まだまだ謎が多いのぉ。エルク、お前さんの飛行船は、儂が責任を持って修理してやろう」
エルク「本当か!?」
ヴィルマー「その代わり………と言っちゃ何だが、あのロボットを発掘して来て欲しいんじゃ。モンスターに襲われながらじゃ、ゆっくり研究も出来んからのぉ」
エルク「よし、分かった。約束だぜ!」
リア「おにいちゃん、がんばってね」
エルク「まかしとけ!!」
リーザ「博士が修理を引き受けてくれて、良かったわね」
エルク「早いとこロボットを掘り起こして、シュウを探さなきゃな」
早速封印の遺跡へ向かおうとするエルク達だが、村の入り口で商人に呼び止められる。
商人「あんたたち、ちょっとまつ。いいこと教えるから、おいでおいで。あんたたち、リア助けた。博士、いい人、リア、いい人、だからリア助けた、あんたたちも、いい人。いい人の、あんたたちに、いいこと教える。さてさて、お立ちあい。あなた、槍使うか?槍使ってる人、聞くとうれしい、剣使ってても、聞けばうれしい。あなた知ってるか、剣はすごい武器と? 剣は攻撃力高い、槍より強いね。これの攻撃力、斧の次に強い。斧の熟練度、かなり上がりにくい、でも剣、簡単に上がっていくね。つまり剣、とてもとても、とても良い武器。おまけに剣、色々能力が付くね。これは便利ね。強い武器を持つと、戦い楽になるね、色々能力付くと、戦い楽になるね。どうあなた、剣ほしくなったね? 今まで、槍使ってばかりいても、今から、剣使っていくといいね。戦う男の剣、やっぱりとてもカッコ良いからね。見つける剣、強いのが後から色々出てくるからね。どうあなた、剣を使うか?使うなら、この店にも売ってるよ。女の子が使うなら、ウイップがいいよ。ウイップ、剣と同じ力持ってるね。攻撃力高い、使わないとゼッタイに損ね。はい、これで話は終わり。さぁさぁ、何か買っていくか?」
ここで、すぐに村を出て封印の遺跡に行かずに一旦ヴィルマー研究所で眠ると、エルクは村を焼き払われた後の施設に連れ込まれた日の夢を見る。これは、意外に見ていない人が多いかもしれない。
黒服の男1「これから、お前はここで暮らすんだ」
黒服の男2「何の不自由もない生活だ」
黒服の男1「まあ、せいぜい研究の役に立ってくれよ」
エルクは訳の分からないままトボトボと中に入っていくと、一人の女の子が歩み寄って来た。
エルク「…」
ジーン「何だ新入りか?」
女の子の後ろからやって来た男の子が言った。
ミリル「ジーンたら、えらそうに! あなた、名前は?」
エルク「…エルク」
ミリル「エルク、いい名前ね。私はミリル。この子は、ジーンよ。仲良くしましょうね」
エルク「 ここは、どこなんだ。 なんでここにいるんだ…。 あ、頭が…」
ミリル「大丈夫?」
ジーン「こいつ、まだ薬が残ってるな」
エルク「薬?」
ミリル「エルク、ここに来た子はみんな薬を与えられるの。そのせいで、昔の事みんな忘れているの。でも、大丈夫。記憶なんてなくてもみんな楽しく暮らしてるわ。さぁ、こっちにいらっしゃい」
エルクは、ミリルについて行く………。
リーザ「もう朝よ、エルク」
ここで朝が来てエルク達は目覚めるが、すぐにまた寝るとその夢の続きを見る事が出来る。
エルク「ジーン。 エヴァがどこにいるか知らないか?」
ジーン「ああ、黒い服着た大人に連れて行かれるのをみたぜ」
エルク「どこへ行ったんだろう」
ミリル「2人で何話してるの?」
エルク「ミリル。エヴァがいないんだ」
ミリル「そういえば…」
エルク「なんか、最近おかしいと思わないか?」
ジーン「おいエルク。ミリルが連れて行かれそうになったら俺とお前で守るからな」
エルク「ああ、もちろんさ」
ミリル「うふふ、ありがとう。うれしいわ。でも、何だか気味が悪いわね」
リーザ「もう朝よ、エルク」
二度目の夢から覚めると、エルクはリーザに話し始めた。
エルク「…」
リーザ「また、夢を見たのね」
エルク「俺は、大変な事を忘れていたのかも知れない。こんな、のんびりしている場合じゃ…。とにかく、ヴィルマーのじいさんに飛行船を直してもらわなきゃ」
リーザ「その為にはロボットを掘り出さないとね」
エルク「そうだな」
再び封印の遺跡へとやって来たエルク達。
エルク「さてと…一体こいつを、どうやって掘り起こせって言うんだ?」
リーザ「ほんと… こんなにカタイ壁、掘ったりできるのかしら」
エルク「まあ、埋まってるって事は掘れるって事だろ。いっちょ、やってみるか!」
エルクは試しに武器で斬り付けてみる。が、ビクともしない。
エルク「ッッッッッカァー!! 何てカタイ壁なんだ!こいつ、どうやって埋まったんだ!?」
すると、エルク達の声に反応し、ロボットが目覚める。
ヂークベック「ピピ………ガ………ワレノネムリヲサマタゲルノハ、ダレゾ?」
エルク「わ、悪気があった訳じゃないんだ、攻撃しないでくれよ」
リーザ「ねえ、しゃべってる…」
エルク「!! お前、しゃべれるのか… おい、そこから動けるのか?」
ヂークベック「ワレ、七勇者ノ護衛ヲツトメシ機神団ノ長『ヂークベック』」
エルク「名前なんていい! それよりお前、そこから自分で出れるのか?」
ヂークベック「ワレ、スデニ使命ヲ果タシ眠リニツキシ者…」
エルク「そんな事は関係ねぇ! いいから、お前をそこから出す方法を教えろよ。お前をじじいの所に連れて行かないと、俺のヒエンが直らねぇんだよ!」
リーザ「貴方を助けるにはどうしたらいいんですか?」
ヂークベック「助…ケル? ワレハ、助ケナド イラナイ………ガ」
エルク「が?」
ヂークベック「ココ・カラ出ル……ニハ、サラニ……深イ………階…ニ………フウ…イン……イル『パワー……ユ…ニット』ヲ………ワレ………装……セ」
エルク「『パワーユニット』! それでそこから出られるんだな?」
ヂークベック「ソ……ヨ……レ……フタ……ソ…………プッ……ガガ…………ザッ……」
エルク「おいっ! こらっ! …クソッ、止まっちまいやがった!」
リーザ「もっと、深い階にある『パワーユニット』ね」
エルク「よし、必ず見つけ出してやるぜ!!」